奈良市・茗荷町は、あまりというか、ほとんど知られていません。
奈良市街の東、春日大社の奥山・春日山原生林をさらに東へと登って
行き、県の茶業試験所を過ぎると標高４００ｍ前後の台地上に茗荷町が
あります。
明治に造られた、茗荷郵便局の初代局舎です。
局舎と言うよりは、村役の家で郵便事業を兼任したようです。
訪ねたときは、屋根が痛んできており葺き替えるか、トタンを架けるか
家人が悩んでおられました。
玄関脇の小さな窓が郵便切手や葉書を売り捌いたり、郵便物を受け付けた窓口です。
今まで残っていたのが不思議な、何ともいえない空間です。
周辺には、すばらしい農村景観が残されています。
平城の都・奈良ですが、こんな良いところもいっぱいあります。
住む人もなく、屋根が落ちてしまった藁葺き農家。
屋根に生えた雑草が悲しいですね。
人が去った家は、あっという間に朽ちてゆきます。
裏の空き地では、近所のご老人たちがゲートボールに興じていたのが
何故か印象に残っています。数年後に再訪した時には更地になって
いました。